親指がボロボロ

日常で思ったことを書いていく雑記ブログ

やはり深夜はよからぬことを考えてしまう。

個人的に湯船に潜るのが好きだ。瞼の裏にある模様のある闇の中で何かを考えるのは、わずかだが非日常感がある。

今日もなんとなく湯船に潜り、闇の中でとりとめのないことを考えているうちに息苦しくなってきた。湯船から頭を出して息継ぎをしなければ……と思ったものの、ほんの僅か、微粒子レベルでだが、「このまま息を止め続けて死んでしまってもいいかな?」と思ってしまった。

当然ほんの僅かしか思ってない上に、窒息死なんて苦しくて嫌なのですぐに頭を出した。それでもしばらくはそんなことを考えてしまうならばどうすればいいのかを考えていた。

すでに自分の中では答えが出ている。それはこれからの人生でどんな事が起こるかが良くも悪くもなんとなく想像がついてしまうからだ。おそらく恋人もできることもなくこのまま独身だろうし、今いる会社はもしかしたら潰れているかもしれない。しばらくは安泰だとしても、徐々に立場が上がってしまって給料はそんなに上がらない癖に自由な時間は減ってしまうかもしれない。定年なんてものは存在せず、晩年は一人寂しくドロドロの液体になって発見されることだろう。

しかしそんなのは嫌なので、最近は新人賞に応募するために小説を書いている。エンタメ業界に刺激的なものを期待しているわけではない。それでも小説を書くのは楽しいし、いい縁があれば今の自分ならば絶対に出会うことのない人と知り合ったり、絶対に行くことのない場所に行ったりすることもあるかもしれない。

といってもそれは相当低い確率であることは分かっている。色々やったはいいものの、結局箸にも棒にもかからず平凡で困難な毎日は変わらず、「こんなことなら仕事に生かせる勉強しとけばよかったな」と後悔するかもしれない。ただそれでも今はそんな可能性からは目をそらして頑張りたい。確かに仕事に生かせる勉強をすれば給料は上がるかもしれない。だが笑いが止まらなくなるほど上がったりはしない。それに年齢の割に自分は経験が足りていない。今更本職を頑張るより、小説でも書いてみて一発当てようとするほうが期待値が高いのだ。

こんな偉そうなことを言っておいてなんだが、平日は思った以上に小説が書けない。夜は疲れてあまり筆が進まないし、朝早起きして書こうにも意志が弱いせいで大体二度寝してほとんど書く時間が取れない。休日も家事をしたり、平日に残った疲れを解消するために昼寝をしてしまったりと思った以上に書く時間が取れない。本当かどうかは知らないが、本当に現状をなんとかしたいなら池井戸潤のように脱サラをしたほうがいいのかもしれない。

ただ、個人的にはそれは絶対に選んではいけないと思っている。自分はすでに一回脱サラをしているから。

脱サラして夢を追いかけていた毎日はたしかに刺激的だった。ただし疲れる。不安になる。刺激的と言っても、暗闇の中綱渡りをしているようなものだ。そんな状況に置かれている興奮できるかもしれないが、いつ足を踏み外すかわからないし、いつ綱が切り落とされるか分かったものではない。正直言って、退路を断って自分を奮い立たせることができる人は脱サラなんてしなくても時間がかかるだけで『何か』を掴み取れるのではないかと思っている。それ以外の人は太い実家があるか、何も残らなかった後に「平凡を選んでよかった」と後悔しない自信がある人だけだ。

それでもやはり平凡だけはつまらないので、今の自分のように平凡(以下)の上を歩きながら変化を求めてしまうのだ。数年後の自分は、こんな記事を書いている今の自分には想像もできないような経験をできているといいな。無論いい意味で。