自分の地元の小学校は集団登校を採用していた。
ピカピカの 1 年生だった自分から見て引率の 6 年生は大人に見えたことを今でも覚えている。
しかし、いざ自分が 6 年生になると所詮小学生なんてまだ子供なことに気づき、今度は中学生が大人に見えた。
だが、いざ自分が中学生になると中学生なんてやっぱり子供で、今度は高校生が大人に見えた。
そして気がつけば社会人になり――初めての上司は思ったほど大人じゃなかった。
当時の上司は「死刑だ」が口癖なエキセントリックなおじさんで、嫌味を言われたりパワハラを受けたりした記憶はない。基本いつも上機嫌な人だった。
しかし明らかに何日も風呂に入ってないような匂いがしていて、机の上はフケで白くなっていた。
何度か上司の運転する車に乗せてもらったことがあるが、狭い道でもかっ飛ばすので乗せてもらうたびに身の安全を祈っていたほどだ。
どう考えても、社会人なりたての自分が思い描く『大人』からは程遠い人だった。
社会人になってからそれなりに時が経ち、世の中の大人たちの大半は体は大人でも精神年齢は言うほど大人じゃないんだな。とやっと気がついた。
ただ、振る舞い方を知っただけだ。今日今の上司と話して改めて思った。
大人なんて幻想だ。「俺って子供っぽいな」と病んでないで開き直ろう!