「ラノベでは純粋な恋愛ものは採点が厳しいですよ」
そんな事を言われてしまって動揺を隠せなかった。過去に応募した作品の殆どはどちらかといえばコメディ要素のない恋愛ものがほとんだ。
恋愛ものは新人賞に応募されることが多いジャンルで、よっぽど完成度が高くないと評価されないらしい。
言われてみれば恋愛ものは創作難易度はそんなに高くないかもしれない。舞台も現代にしてしまえば、ファンタジーもののように世界観などを考える要素が少ない。しかしもちろん面白くできるかは別の話だ。そういった作品はどうしても地味になりがちで、読者の興味を引くのは至難の業だ。
そういった意味ではコメディ要素を入れた恋愛もの、いわゆるラブコメは笑える展開やぶっ飛んだキャラを使うことで読者の興味を引くことができる。もちろん笑える展開やぶっ飛んだキャラを考えるのが難しいのだが。
といってもラブコメと純粋な恋愛ものを完全に区別することは難しい。ラブコメでもシリアスな場面はあるし、純粋な恋愛ものでもコミックリリーフは必要だ。言ってしまえば、現代が舞台で、剣や魔法や超能力が出てこない作品を面白くするのが難しいというだけのことなのかもしれない