親指がボロボロ

日常で思ったことを書いていく雑記ブログ

古いは悪なのか

散歩の途中に見かけたリサイクルショップに入ってみた。

普段あまり中古品を買うことがないのだが、使いみちのわからない謎のパーツや、今まで見たこともないような年代物が並ぶ店内を眺めるのは、まるで博物館にいるような気分になってくるのでリサイクルショップ自体は好きだ。

初めて入った店内には、期待を裏切らない商品たちが陳列されていた。初めて見た謎のゲーム機、聞いたこともない怪しいメーカーのなんのために使われるものか想像のつかない部品たち。

すぐ店を出るつもりが、初めて見る謎の商品たちを眺めるのが楽しくて店内をうろついているうちに、ゲームソフトの並んでいる棚の前にやってきた。

陳列というよりは『ただ入れられている』表現がふさわしい昔のゲームが入った傷だらけの水色の容器を覗き込むと、その中に入ったゲームたちはほとんど値札がついていなかった。よく見ると箱には『値札のついていないゲームはすべて110円です』と書かれていた。

そして何より驚きなのが、その110円のゲームのほとんどはPS2のソフトなのだ。PS2は当時の衝撃から比較的新しいハードに感じてしまうが、もう20年近く前のハードだ。だから評価が低いゲームに110円という投げ売り価格がつけられてしまうのは仕方がないことだ。

それでも、110円というカップヌードルより安い値段をつけられてしまったゲームたちを眺めていると「なんでこんなに安い値段がつけられてしまうんだろう」と大人が思ってはいけないことを頭の中でつぶやかずにはいられなかった。

当然110円という値段になってしまう理由はわかっている。よほどの名作か希少価値でもなければ昔のハードのゲームの価値はない。110円という価格でも買う人はまずいないだろう。

だが、今はそのような値段になってしまっていたとしても、発売当時数千円はしただろうし、買った人たちはそれなりに楽しんでいたはずだ。しかし知らないゲームに110円という値段がついているゲームを見ると、「あまりおもしろくないのかな?」と思ってしまう。実際、今やってもそこまで面白くないのかもしれない。しかし、当時は面白かったかもしれない。それは今となってはわからない。

実は110円の値段がついているゲームの中に、当時結構楽しんでいたゲームがあった。どんなものでも必ず古くなり、価値が落ちる。値段が上がるのは古くなることに価値があるものだけだ。そうだとわかっていても、「やはり古いものには価値がないのだろうか」と棚の前で考え込んでしまった。

それは極端な考えだと分かっているが、色落ちした昔好きだったアニメのDVDや、昔好きだったゲームソフトが安く売られているとそんなことはないと否定しつつも、完全に否定することはできなかった。