親指がボロボロ

日常で思ったことを書いていく雑記ブログ

シン・エヴァンゲリオン劇場版を見たらなんだか死にたくなった

公開日から遅れる事2日、やっと見に行くことができた。

感想を一言でいうと、

「前半は本当に自分はエヴァンゲリオンという作品の真の完結編を見ているのか。と不安になった」だ。

勿論作中では14年も経ってるし、世界が滅茶苦茶になってしまったのだからあのような状態になってしまうことは不思議でもなんでもない。目を奪われてしまう作画の良さ、そして展開には自然と引き込まれてしまった。それでも、間違いなく自分が見ているのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』だと頭でわかっていても、目の前で繰り広げられる展開には困惑せずにはいられなかった。

そんな事を思ってしまったのは、自分には想像のできない展開だったというのもあるが、エヴァンゲリオンがこれで本当に終わりということが信じられなかったからだろう。おそらくシン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇でエヴァンゲリオンという作品はこれでシンの終わりを迎えたはずだ。ラストシーンを見る限り、これ以上何か続編があったとしても蛇足にしかならないと思う。

それなのにも関わらず、まだシン・エヴァンゲリオン劇場版の続きがあるような幻覚を抱いてしまうのだ。不思議でたまらない。

所謂『旧シリーズ』はリアルタイムでは見ていないのだが、深夜はキッズ向けではなくなるキッズステーションで何度も見た。ちょっとエッチなシーンが流れた時に感じた気まずさ、そして言葉にうまくできない興奮を抱いた時の感覚は今でも思い出すことができる。そう、自分がエヴァンゲリオンという作品を認識したときにはすでに一旦はエヴァという作品は完結していたのだ。

それでも漫画版はまだ続いていたし、アニメージュの付録にエヴァのリマスター版のDVDがついてきたり、エヴァのゲームも発売されていたりと、この作品はすでに終わっているという感覚はなかった。なんというかドラゴンボールに近い感覚だった。

そして新劇場版が発表され、一作公開されるごとに何年も待つのを繰り返し、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』をもってついに本当に完結しててしまった。今でもやっぱり完結したという実感は相変わらずない。まあ、これからエヴァ関連コンテツが全く出ないということは流石にないだろう。エヴァンゲリオンという作品はドル箱だから。

だがエヴァンゲリオンという作品のストーリーはこれで終わりなんじゃないだろうか。庵野秀明監督も流石にエヴァンゲリオン以外のものを作っていきたいだろう。

 

確かに前半は、というか序盤は「本当に自分はエヴァンゲリオンという作品の真の完結編を見ているのか」と思ってしまったが、2013年でも2017年でもなく、新しい時代を告げる2021年の映画なんだなとつくづく思わせてくれる作品だった。重量感のある演出、アニメだからこそできるカメラワーク、何を食ったらこんなモノ思いつくのだろうと思わずにはいられないメカニックデザイン。そして、終盤のゲンドウの独白には胸を打たれた。自分も同じことを思っていたから。

3時間近い長編だが、終盤は「頼む終わらないでくれ……」と何度も思ってしまった。真っ白な画面に『終劇』と表示されたときは全身の力が抜ける感覚があった。再放送で見ていた世代の自分がそうなのだから、直撃世代の40代くらいの人はどんな感覚なのだろうか。

それにしても、ラストシーンはなんというか、君の名はを思い出さずにはいられなかった。声優が神木隆之介だからじゃなくて、演出でそんなふうに感じてしまった。

とりあえず後一回は見に行きたい。できれば女の子と。ああ、上映終了してしまう。