親指がボロボロ

日常で思ったことを書いていく雑記ブログ

The Girl

8月終わり、Twitterを開いたらDMが送られてきていた。相手は少し前にFFになった人で、「を水さんのブログ好きです!」と言っていた人だった。

内容はシンプルに『一回遊びませんか』というものだった。小説を書き進めたい気持ちもあったが、どんな人か気になっていたので一度会ってみることにした。何よりも相手はおそらく女の子というのも大きかった。

オフ会の場所は、こんな機会でもなければ行くことのないところだった。電車を乗り継ぎ、遅れるのは嫌だったので、1時間弱前に待ち合わせ場所に到着し、時間を潰していた。待ち合わせ時間の数分前にやってきたのは、Twitterがなければ話すことなんて一生なさそうな派手な感じの女の子だった。端的に言えば苦手な見た目をしていて、この時点で少し帰りたかった。

見た目で人を判断するのは良くないと思っているが、あまりにも独特な格好をしている人は、やはり『そのようなファッションを好む人に抱く印象のような性格をしている』と思われたくてそういう格好をしている偏見があったので、頭の中でそんな偏見を持ったことを正当化していた。一言二言話してすぐに、「あ、最初に言っておきますけどを水さんとはそういう関係とか一切考えてないんで、好きになったりしないでくださいね」と言われたのも正直言ってカチンと来た。まあ、確かにちょっと女の子に親切にされると好きになってしまうのだが。

まだその頃は暑かったので、少し話をして近くにあるカフェに移動した。店内にいる客も自分とは一生口を利くことがなさそうな感じの人ばかりで、その場にいるだけで少しずつ精神ポイントが削られていっているような感覚があった。

そんなお店なだけあり値段も少し張ったが、ケチってもしかたがないので値段は気にせずに良さそうなものを注文し、彼女に「どうして俺誘ったんですか?」と聞いてみた。

彼女は、「女の子のことばっかり呟いてるを水さんどんな人か気になってたので一回会ってみたかったんですよね。もうちょいモサい人かと思ってましたけど、そこまで悪くないですね(概要)」と褒めているのか、からかっているのかよくわからない答えを言った。やっぱり風貌といい喋り方といいなんだか苦手だった。

ただ、思ったより彼女と話をするのは楽しかった。たまに噛み合わないことがあったが、趣味もそこそこ被っていたので沈黙が殆ど訪れることなく話し続けることができた。やっぱり女の子と話をするのは楽しい。男と話すのももちろん楽しいが、女の子と話が盛り上がっていると、胸の奥が暖かな気分になってくる。この感覚は女の子と話しているときしか絶対にない感覚だ。もしかしたら優越感の亜種なのかもしれない。

ただし、そこで問題が発生した。彼女がなんだか可愛く見えてきて、自分も男なので、「ああは言ってたけど、もしかしたらワンチャンないかな?」という不埒な思考が頭の中で少しずつ大きくなっていっていた。男なんだから仕方ないと頭の中で勝手に1人で逆ギレしつつも、彼女はそういうことは抜きで楽しもうとしているのに(多分)、こっちはそんな事を考えてしまっていることに罪悪感を抱かずにはいられなかった。

彼女はそんな自分の思考を見抜いていたのかは分からないが、しばらくカフェで話をしたところで「これから用事があるので」と唐突に言い出した。そこで彼女とはお開きになった。

 

そしてこの話には続きがある。気がついたらTwitterでブロックされていた。下心がダダ漏れしていたのを見抜かれたのか分からないが、何かが気に食わなかったのだろう。

ちょっと腹が立ったので、新人賞に応募した小説のネタに彼女のことを使わわせてもらった。これからは女の子と会う前は一発抜いておいたほうがいいのかもしれない。